

驚きの復興を果たし、アンジー・ストーンの新作まで出すメンフィスの名門「スタックス」。同じブラック系レーベルでも北部のモータウンやらブランズウィックあたりとは違ったアーシーなサウンドが売りです。もう何ぼ出てんのか分からん日本が誇る名コンピ「フリー・ソウル・シリーズ」にも勿論スタックス編はございます。60年代オーティス・レディングを中心に一時代を築き上げたディープ極まりない第1期ではなく、アトランティック傘下から外れニューソウル的な一面も見せた第2期の70年代中心に組まれています。この時期のクリーンナップを打っていたのが残党組のルーファス&カーラ親子、ウィリアム・ベルに加え、新加入組ドラマティックス、ステイプル・シンガーズ、アイザック・ヘイズ、ソウル・チルドレンってなところ。オシム・ジャパンのように渋くも実力派が揃ってます。モータウン編同様、毎度のことながら有名曲・無名曲をバランス良く配した選曲の妙には感心させられます。
まず登場するのが南部版ジャクソン5・I Want You Backみたいな
The Newcomers「
Pin The Tail On The Donkey」。グルーヴィー命の本シリーズの主旨に合致した楽しさ満点アップです。続いて大御所
The Staple Singers「Heavy Makes You Happy (Sha-Na-Boom Boom)」でどす黒いメイヴィスのVoにノックアウトされます。彼女等は名曲中の名曲「
I'll Take You There」もしっかり収録。またHeavy Dのサンプリングでヒップホップ世代にも一躍有名になった
Jean Knight「Mr. Big Stuff」、まだアースとの活動以前で泥臭さがたまらん
The Emotionsは「
Blind Alley」、「
From Toys To Boys」など4曲も収録で何れもレベル高し。このへんのアルバムも出してたアーティストならまだ以前から聴けたんですがシングルしか出せんかった人等の優秀曲もさりげに入っていてコレがまたエエ感じです。
The Leaders「Which Way」、Ilana「Where Would You Be Today」なんか知らんかったらエラい損したと思った名トラックですし、アン・ヴォーグで有名になった「
What A Man」の
Linda Lyndellオリジナル版、フレデリック・ナイト作のキャッチー・レディソウル
Annette Thomas「
You Need A Friend Like Mine」もバシッと収録。そしてファンクにバラードに傑作量産だった
The Dramaticsは「
Whatcha See Is Whatcha Get」収録でもう言うこと無し。緊張感満載の貫禄ファンクは世紀の傑作です。シャフトでお馴染みのツルッパゲ大王
Isaac Hayesはジャクソン5「
Never Can Say Goodbye」をまったりカヴァー。ベテラン
Little Miltonは力強いタイロン・デイヴィス・カヴァー「
Let Me Back In」、
Barbara Lewisも「
That's The Way I Like It」を華麗に歌い上げます。屋台骨を支えたミュージシャン軍団
Booker T. & The MG'sも「
Soul Limbo」、「
Time Is Tight」と素朴な演奏が光ります。さすが名門レーベルの泥臭くもグルーヴィーで心地良いスタックス・サウンドにどっぷり浸かれます。
「第2期スタックス・サウンドへの入口としても機能する好盤。どんだけ〜って感じの名録音の数々ですわ」