

一瞬、聴いただけではとてもここ数年の新録とはとても思えないアルバム。曲調は勿論、使用楽器・ミックス・リヴァーヴの掛けかた一つの細部に至るまで'60年代後半のファンク・ソウルを再現した奥深き作品。あの時代の素晴らしいサウンドを回顧的になぞるのだけに終始せず、近年のアシッド・ジャズやファンク再評価に沿ったつくりやゆうのが聴いてみれば分かります。この辺のサウンドは個人的に大好物ですのでいっぺんに飛びつきました。そもそもこの二コル嬢。'90年代半ばにカーティス・メイフィールドのトリビュート盤で脚光を浴びたファンク・バンド「リパーカッションズ」のシンガーやいうやないですか。その二コルがフィンランドのディープ・ファンク・バンドと合体して作ったのがこのアルバムっちゅうことです。オールド・ソウル愛がヒシヒシ伝わる緻密に構築されたコノ空気間は完璧に近いモンで恐れ入りますって感じです。
中身はド頭から一連のカートム・サウンドを彷彿させる緊張感満載のストリングスとワウギターが凄い「
Feeling Free」でスタート。続いてヒット・シングルともなった「
If This Ain't Love」はブランズウィックあたりを想起させるニクイ曲調。タイトルにもなった「
Keep Reachin' Up」はJBマナーに沿った強力ファンクでリン・コリンズでも歌ってそうな楽曲。ファンクは他にも、妖しげなメロにハモンドも絶妙な「
Blues Downtown」、クールに突っ走る「
Holdin' On」など収録。モータウン調のノーザン・スタイルも「
My Four Leaf Clover」や「
Invisible Man」とありますが、スネア4つ打ちの王道スタイル「
A Perfect Kind Of Love」なんかナカナカの出来。そんな感じで黙って聴かされたら殆どの人が旧譜再発やと間違う凝り具合です。
「な〜んか突き抜け感に欠けるのも事実。今度はシーン全体を激震するくらい頼んます」