Da Doo Ron Ron: the Very Best of the Crystals * 2011 Sony (Philles)

涼を誘うポップR&Bといえば何といってもガール・グループ。フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドは涼感抜群で疲労回復にも効きそうです。最高なのはやっぱロネッツですが、負けじとキュートなのがクリスタルズの曲たち。女の子が寄り添って可愛い振り付けで歌う構図は、オッサンになってもその魅力に抗えません。日本にも熱狂的ファンの多いフィル・スペクター・サウンドを担った女の子達が奏でる楽しいサウンド。これはビールにも最高の相性です(←結局これ)
そんな事で、このクリスタルズ。ヒット曲も多い中、プリティーな輝きを放つ最高の1曲が63年の「Da Doo Ron Ron」。聴いてるだけで顔がほころぶキャッチーなビート・ポップスで、間違いなく“Be My Baby"と共にスペクター・サウンドの金字塔です。ララ・ブルックスの透りの良い声も絶妙ですが、すぐに真似したアイク・ターナーのアイケッツ版のイナたさも好きです。また負けじと素敵なのが「Then He Kissed Me」。最初、ビーチ・ボーイズのカヴァーで知ったのですが、原曲のカスタネットを効かせたキュートなエコー・サウンドにも一発で惹きつけられました。他にも魅惑のガール・ポップ乱れ打ちで、ロネッツ版も良かった「I Wonder」に「Woman In Love (with you)」、“Be My Baby”と同じリズム構造の「Little Boy」、ブ厚いビートがたまらん「All Grown Up」など、ガール・ポップかくあるべしというララ・ブルックスの歌唱が堪能できます。しかしながら摩訶不思議なのが出世作の「He's A Rebel」や「He's Sure The Boy I Love」。クリスタルズ名義ながら歌ってるのはDarlene Love & The Blossomsという無茶苦茶な事態ですが、ウォール・オブ・サウンドがココで完成って感じで曲は最高です。また前半に収録のバーバラ・アルストンがリードを取っていた頃の初期はスペクター・サウンド完成前。でも、61年のフィレス初ヒット「There's No Other (Like My Baby)」、62年「Uptown」、SMチックなタイトルの「He Hit Me (It Felt Like A Kiss)」にキャロル・キング作の美メロが光る「Please Hurt Me」などモータウン初期と同様、アーリーソウルの美しい魅力があります。
「海岸線を浮き輪でものっけて走りながら聴きたい音のシャワー。細胞も踊りだします♪」
Da Doo Ron Ron
めれんげkonomi
No title