L.A. Friday / The Rolling Stones * 2012 Stones Archive

どんどん出てきて嬉しい悲鳴のストーンズ・アーカイヴ・サイトによる公式ブートレグ音源の第3弾。今度は1975年ツアーのL.A.ライブ! アルバム“It's Only Rock'n Roll"発表後のツアーながら、ミック・テイラー脱退ってこともあり、白羽の矢が立ったのがフェイセズ在籍中のロニー・ウッドでした。ストーンズに“陽”の要素をもたらした男がいよいよ合流の時期です。前回のハンプトン・ライヴが“Still Life”の同時期音源だったのに対し、コチラは“Love You Live”の時期です。キーボードはビリー・プレストン&イアン・スチュワート、パーカッションにオーリー・ブラウン、サックスがトレヴァー・ローレンスっていうサポートで、この後の実にソウル色濃い名作“Black & Blue”にも繋がる布陣。プレイ・スタイルが明らかに違うミック・テイラーから打って変わって、ウッディのギターは親和性が高すぎなくらいルーズにバンドに絡みます。Gソロ取るのもジャンケンで決めてそうな雰囲気が◎です。
さて内容。ミックのワイルドさに拍車がかかってるのと、ウッディが結構マジメに弾いてるのが印象的。演奏の方は結構ラフすぎるとこもあったりしますが、そこは御愛嬌。このツアーのオープニング「Honky Tonk Women」から貫録十分です。キース大活躍の「Star Star」あたりのロックン・ロールは、この面子でピシャリはまります。名曲「You Can't Always Get What You Want」や、何回聴いてもシビれる「Tumbling Dice」なんかもゾーンプレスでのパス回しみたいに全体で押し上げてゴールを決める感じ。実質ウッディが制作にも大きく関与した「It's Only Rock N Roll」など、兄弟のようなキース&ウッディのギターが絶妙な絡みです。また「Heartbreaker」から「Fingerprint File」あたりの渋黒い流れは実に秀逸。この後のウッディのGソロ&ビリーのハモンドも冴える「Angie」、「Wild Horses」ってスロウ攻めもグッときます。そしてビリー・プレストンのVoコーナーも嬉しい収録で「That's Life」、「Outa Space」とファンキーなエレピも炸裂です。終盤は御馴染曲バシバシ登場で、「Brown Sugar」に始まって「Midnight Rambler」、「Rip This Joint」、「Street Fighting Man」、「Jumping Jack Flash」、パーカッシヴなオーラス「Sympathy For The Devil」と美味しい定食コースであることは言わずもがな。
「貴重な75年、ウッディ初加入のライヴ25曲。10年前からメンバーやったみたいな顔して弾いてます!」
リュウ
No title