Stubborn Kind Of Fellow / Marvin Gaye * 1963 Motown

新年1発目、威勢よく“イェイ、イェイ、イェイ”と高島忠雄や松鶴家千とせ(←古い)ばりにいきます。このフレーズ、最もカッコよく決めるのはやはりコノ人、マーヴィン・ゲイ。一般的には70年代の革命的名曲「What's Going On」の人ですが、60年代の金字塔といえば何といっても“イェイ”とキメる「Stubborn Kind Of Fellow」。超のつく傑作が多い人ですが、晩年の80年代にも「Sexual Healing」なるモンスター的名曲を残してるのが偉人と言われる所以でしょう。ここらの曲はふとした時に一回聴いちゃうと、必ず「もっと、ちょうだい❤」となるほど力を持った名曲。デビュー以来、本当はナット・キング・コールのようなスタンダードを歌いたかったらしいですが、売れずに路線変更して出たこの63年の2ndは正にターニング・ポイント。荒っぽい歌唱も織り交ぜたR&B路線はマジでカッコよく、リスナー万々歳です。60年代のモータウン・マナーの曲は本人自身は後に否定的な発言が多かったですが、絶対無視できません。
そんな事でこのアルバム。記念すべきR&B作品第1弾にして、ジャケ・中身共に素晴らしき作品。冒頭のモータウン・クラシックともいえる3連発がハイライトです。前述のアルバム・タイトル曲は、ほんと素晴らしくてマーサ&ヴァンデラスのチャーミングなバック・コーラスから、男マーヴィンの熱いシャウティング・スタイルでの完璧な歌唱。ポップなメロディに、カウベルの効いたビートが相俟って、これぞソウルと言える名曲中の名曲が堪能できます。そして粋なシャッフル・ビートに乗って華麗なヴォーカル・スタイルもキマる「Pride & Joy」に、ソウルフルな歌が何ともカッコいいストーンズのカヴァーでもお馴染「Hitch Hike」と文句無しの展開に惚れぼれします。しかしコレだけでは済みません。LPのA面にあたる「Get My Hands On Some Lovin'」に「Wherever I Lay My Hat」でもヒッツビル・サウンドに乗って軽快な典型的デトロイト・モータウン・スタイルが楽しめます。シリアスなニューソウルやメロウなマーヴィンも良いですが、この明るくPopなマーヴィンも何事にも代えがたい魅力が存在です。後半B面は、マーチング・ドラムが印象的な「Soldier's Plea」や、ねっとり迫る「It Hurts Me Too」、ジャッキー・ウィルソンみたいな「Taking My Time」、男性コーラスを従えたドゥーワップの香りもする「Hello There Angel」とソコソコの曲が展開。最後も上品すぎる感じが惜しい「I'm Yours, You're Mine」と少し物足りませんが前半の素晴らしさで全て帳消し。
「今年も何やかんや荒波にあっても“イェイ、イェイ”言うて乗り切ったろかと考え中ですぅ~」
Stubborn Kind Of Fellow and More
Hitch Hike
リュウ
No title