Invincible / Michael Jackson * 2001 Sony

ディズニーランドにて超久々にキャプテンeoを見て感動!! ここはマイケルです。思えばロクな事がなかった晩年のマイケル。例の金目当てのしょーもない訴訟とかに巻き込まれ創作活動が途絶えなければ、さらに凄いモノを世に送り出してた可能性もあったのに。正直、色んな情報に流されて偏見もあったこの頃のマイケルですが、この最終作は結構な充実作。病気もあってか肌の色は白くなる一方でしたが、音の方は現行R&Bにシンクロさせてきた黒音作であったとシミジミ思います。皮肉にも亡くなってからマイケルを聴く機会が一段と増えましたが、2000年代唯一の本作はある意味、タイトル通り“無敵”やったです。というのも独自路線で無カテゴリー感もあったマイケルですが、真剣にR&Bフィールドど真ん中で勝負したら他の誰も勝てんぞってことを垣間見せました。とにかくロドニー・ジャーキンスという旬のクリエイターを上手く起用した本作。この秋、発売予定の未発表新作をまとめてるのもロドニーで最後のパートナーといえる人。大傑作とはいいませんが、今後もっと評価が上がりそうな気がします。
中身ですが従来の普遍的なポップ感はやや後退し、黒っぽさは復活。ロドニーはいい仕事しました。異様にリズムがカッコいい「Unbreakable」から、ガキは聴かんでもエエわいっと居直った(←そんなワケないですが)ような尖がった「Heartbreaker」、これまた最高のビートを見せつけたロドニー仕事が光るタイトル曲「Invincible」の冒頭からの3曲は現在のシーンでもビカビカに輝く充実トラック。やや線の細いマイケルの大人声は大好物でもなかったのですが、ここでのストロング・スタイルのヴォーカルは好感で、本作最大の聴かせどころ。チル・アウト系も充実で「Break Of Dawn」に「Heaven Can Wait」はブラック・マナーの中での充実作。ほんま前半の充実は特筆モンです。PVでマイケルの顔があまり見えず「顔を隠さなくてはならない事情でもあるのか?」と穿った見方もしてしまったシングルカット「You Rock My World」は、あんまり好きな曲でもないですが音はクール。それより次の「Butterflies」は生音多用のソウル感満載でナカナカ。アリシア・キーズやジル・スコットともイイ仕事をしたアンドレ・ハリスとの音も素晴らしく、ジャクソンズ時代にギャンブル&ハフと組んでたフィリー・ソウルの香りも彷彿させます。従来のマイケルらしい普遍的美メロの「Speechless」の後は、驚愕作「2000 Watts」の登場。当時、コレがマイケルの声?と疑った今様の男汁したたる低音ディープ・ヴォイスを披露。テディ・ライリーの尖ったビートも最高でした。後は、一聴で童顔印と分かるBabyfaceとの再タッグとなるソレなりの作品「You Are My Life」、目玉でもあったR.ケリーとのタッグ「Cry」なんかは期待大すぎてやや不発でした。なぜかサンタナのオッサンまで登場のラテンタッチ曲「Whatever Happens」とかもあって後半グダグダ感が無きにしも非ずですが、最後はロドニーが硬質ファンク「Threatened」でビシッと締めてます。
「ややマーケットを絞った感もあった本作。マイケルにしては売れなかったけど、今、最も聴きかえしたい音がココに!」
Unbreakable
You Rock My World
Queen
No title