Ten Years Ago / 矢沢永吉 * 1985 Warner

先日、伊勢のソウル・ブラザーから頂いた永ちゃん40thのライヴDVD。新曲から、ソロの名曲の数々をテンポよく披露する最高級のエンターテインメントを今も高いクオリティで続けてる永ちゃんに感服です。今迄も色々見ましたが、特筆すべきはキャロル時代の内海氏との共演で、これは感動モンでした。そこで気になったのが、闘病中のジョニー大倉氏。片やスタジアムで盛大にライヴしてる永ちゃんに対し、小さな小屋で声を振り絞る車椅子のジョニー。我々には知りえない確執があるようですが、いつか二人が並んで歌う姿も見たいもんです。
これはキャロル時代のマテリアルを10年後に"矢沢進行形"で表現したセルフ・カヴァー作。こうやって形にする以上、同じアレンジで演っても意味がないと、しっかり80'sYAZAWAのスタイルでお馴染みの曲を演ってます。81年“抱かれたい、もう一度”から始まった、海外ミュージシャンとの交流を背景にしたAORチックなアレンジでの再演です。メンバーも当時の常連、ジョン・マクフィー、キース・ヌードセン、コーネリアス・バンパスとドゥービーBros一派が参加です。賛否あったものの、もし同じようなアレンジやったら「悪いけどココはジョニーの声でないと・・」って思っちゃうので、このアプローチは◎です。中でも聴きモノは「She Belongs To Him」。ジョニー&永ちゃん作のメロウ傑作ですが、ココでのモダンなアプローチもオリジナルに迫る素晴らしい出来。永ちゃんVo版もイケてます。ド頭からも「ホープ」、「コーヒーショップの女の娘」と元々ジョニーのVoでお馴染みの曲が、永ちゃんのVoで再演。名曲「やりきれない気持ち」なんか歌い出すまで何の曲か分からんくらい都会的に変化です。ぐっとテンポを落とした「ヘイ・タクシー」、ポリスの曲みたいになった「二人だけ」など大胆なアレンジも目立ちます。キャロル版に拘らなかったら、それなりに楽しめます。原曲の疾走感を活かした「レディ・セブンティーン」なんかはナカナカかっこええです。 でも、こうやって聴くと、キャロルの看板ヴォーカリストはやっぱジョニーやったんやとも感じます。「憎いあの娘」、「ミスター・ギブソン」、「0時5分の最終列車」、「最後の恋人」なんかは永ちゃんのVoだった曲。もちろん最後はみんな大好き「ファンキー・モンキー・ベイビー」を大陸的サウンドで再現。正直、リバプール・サウンドの原曲の方が馴染み深いですが、大ホール映えするアレンジも粋なもんです。
「当時、“洒落で演りました”と言ってのけた永ちゃん。余裕やね〜」
She Belong To Him~彼女は彼のもの~
juke boxer
カブった(笑)