Goddess in the Doorway / Mick Jagger * 2001 Virgin

ツアー中にパートナーの他界による憔悴で音楽活動を一旦ストップしたミック・ジャガー。ストーンズの今月から始まるヨーロッパ・ツアーにはなんとか立ち直って元気な姿を見せて欲しいもんです。近ければ近い人ほど、人が亡くなった時の寂しさは大きいので、いくら超人ミックといえども心配です。そんなコトを考えてるうちに思い出したのが名曲「Brand New Set Of Rules」。10数年前に出たミックの目下最新のソロ・アルバムでラストに収められてたスロウ・ナンバーです。「新しいルールを用意した。俺は変わるぞ、見ていてくれ」と言い放ったミック。環境は変わってしまったけど、いくつも荒波を乗り越えたストーンズです。おそらく世界中のミック・ファンが心底応援していることでしょう。
その名スロウが収められた4作目ソロ。"ひとりで、できるもんっ"と成功したビッグなバンドの一員は誰しも考えるのでしょうが、集合体での個々の化学変化の旨味を知ってしまってるファンからしたら、どうしても比較してしまい不利な状況なのは仕方ないコト。にしても、良い作品が多いのがミックの凄いトコで、どのアルバムにも絶対名曲が入ってます。本作はストーンズのツアーでもチョコチョコ顔を出すキーボード奏者、マット・クリフォードとのコラボみたいなアルバム。スロウが聴きどころで美しいサビもたまらん「Don't Call Me Up」に、ジョー・ペリーがギターを弾く「Too Far Gone」あたり、ミックのソングライターとしてのアーシーな魅力も炸裂です。ハネたゆるいグルーヴが心地良い、クリフォード氏との共作「Dancing in the Starlight」なんか無茶苦茶エエ曲で正しく本作のハイライト。本作一等賞です。そしてエエと思ったらすぐに手を出すのがミックの魅力。当時の新進、フージーズのワイクリフがプロデュース&ギター参加で狂喜した「Hide Away」も曲はソコソコながら好感触。また、U2のボノと歌った「Joy」や、「Gun」では60年代からの盟友ピート・タウンゼントも参加です。冒頭に収められたメロディアスなシングル曲「Visions Of Paradise」や、レニー・クラヴィッツとのハードな「God Gave Me Everything」、CM曲でよく流れてた「Everybody Getting High」など、色んなスタイルでイッチョかみのミックらしさが出てます。日本盤ボートラの「If Things Could Be Different」もミックの曲作りの上手さを感じさせる佳曲。
「さぁミック。元気な姿を見せてくれ! みんながあなたを待っています。」
Dancing in the Starlight
Okada
No title