Stax 50th Anniversary Celebration / Various Artists * 2007 Stax
2010-01-31 Sun 00:01
stax 50th

Frederick Knight - Sweet Soul Music: The Best Of Stax

 南部メンフィスのソウルレーベル、スタックスも近年復活し積極的な活動も嬉しいところ。黄金期の魅力は圧倒的で、こっからサザン・ソウルにハマった人も多い名門中の名門です。スタックスに関しては学生時代「これぞ探し求めていた音やんけ」とバイト代全てをつぎ込みコンプリート・シングル集まで手を出したほど惚れ込みましたが、新しいモン好きの私がついつい借りてしまったのが、この50周年時に組まれた記念盤。決定版的な選曲はリマスターも施され、アニヴァーサリーに相応しいブツです。画期的なのは前期のアトランティック配給時代と、独立後の指パッチン・ロゴでお馴染みの後期が一緒にパッケージされて聴ける点。これは阪急電車が河原町から三宮まで直通乗り換えなしで行けるくらいの快挙です。これでStaxレーベルを体系的にベストで聴きたいって人も、一発でまかなえちゃいます。
 前半は避けて通ることができないクラシックがバンバン登場。1曲目はコレしかないと共鳴しきりのCarla Thomasの傑作バラード「Gee Whiz」で本コンピの本気度を確認。(←なんのこっちゃ) ごきげんさんでホーンが鳴り響くThe Mar-Keys 「Last Night」、Staxバラードでも最高峰クラスのWilliam Bell 「You Don't Miss Your Water」とレーベル初期の超重要作からバッチリ。数少ないコーラス・グループも、軽快さが心地よいThe Astors 「Candy」、中性的な声でしっとり聴かせるThe Mad Lads 「I Want Someone」と収録。ブルージーどころではMable Johnや、Albert Kingが秀逸。初期The Bar-Kays 「Soul Finger」や、ハウスバンドBooker T. & The MG'sの18番「Green Onions」などインスト系も切れ味抜群。アトランティック期後半はOllie & The Nightingalesの激傑作「I Got A Sure Thing」なども選曲されてるのが、たまらんトコロです。Otis ReddingとかSam & Daveはいわずもがなの必須曲がちゃんと収録です。
 68年レーベル独立以降も初期からの看板シンガーで「Knock On Wood」で知られるEddie Floydの「I've Never Found A Girl」が登場。後期の4番打者ともいえるJohnnie Taylorも大ヒット・ジャンプ「Who's Making Love」もありますが、やはり絶対外せんのが御大William Bell。ここでも名スロウ「I Forgot To Be Your Lover」や、Judy Clayとの涙腺直撃デュエット「Private Number」と絶好調です。後期はファンキー色も濃くなっていきますが、ソルト・ン・ぺパ&アン・ヴォーグのカヴァーも懐かしいLinda Lyndell 「What A Man」や、一度聴けばニワトリ状態必至の激ファンキー・ナンバーRufus Thomas 「Do The Funky Chicken」、Hip Hop世代にも愛されたJean Knight 「Mr. Big Stuff」なんかは色褪せない傑作。新生The Bar-Kaysの「Son Of Shaft」も迫力抜群です。他にも、ウータン・クランも引用したIsaac Hayesによるディオンヌ・ワーウィックの重厚カヴァー「Walk On By」、ファルセットにシビれるFrederick Knight 「I've Been Lonely For So Long」、ホール&オーツも最高のカヴァーを演ってたMel & Tim 「Sarting All Over Again」、涙腺直撃の激ソウル・ユニットThe Soul Childrenの「I'll Be The Other Woman」など必須曲のオンパレード。もちろんThe Staple SingersThe Dramaticsのグループ系も充実ですが、アース合流前のThe Emotionsや、泣きのファルセットも染みるThe Temprees収録も嬉しいところ。そして最後を締めるのはShirley Brownの名スロウ「Woman To Woman」で渋く締め。
「シンプルなバックビート中心の前期から、厚い音で魅了したドン・デイヴィス仕切りの後期までバッチリ!必須曲だらけですわ。」
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It's Our Thing / The Isley Brothers * T-Neck 1969
2010-01-26 Tue 23:53
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 もし番長みたいな人に“おいっ結局アイズレーブラザーズでどれが一番好きやねんっ、こっらぁ”と問い詰められたら、“すんません「It's Your Thing」です”って答えようと思ってます。なぜなら“そうか、そうか、ほな許したるわ”って言ってもらえる激傑作ファンクだからです。そんなことで、近年は親分ロナルドの逮捕やらなんやらで活動も縮小傾向のアイズレーズ。これからも内田裕也と共に最もステッキが似合うボスキャラとして、新喜劇の間寛平ばりにステッキを振り回して大暴れしてほしいところです。ここでの音はクラヴィネット炸裂の「3+3」以降の完成形アイズレーファンクとはまた違った音ですが、モータウン離脱後のファンク突入期の記念すべき1作目。ホーンを導入したイナタい音もなかなか魅力的で、共に50年代から君臨するJ.B.ファンク的なアイズリーズもかなりイケてます。
 もちろんハイライトはアイズリー・ファンクの幕開けとなる殿堂入りファンク「It's Your Thing」。もうアホほどカヴァーもされ、幼きマイケルの絶唱も有名ですが、このオリジナルはホンマ絶品。もう何万回聴いても飽きないこの魔力はいまだに自分でも理解不可能です。後のファンク・ヒット連発期とは違った土着的感覚は何とも捨て難いスリリングさです。同じ構造の冒頭曲「I Know Who You Been Socking It To」も必須です。ロナルドの熱さと共に前のめりに突き進む「Somebody Been Messin'」、JBを強烈に感じる「Give The Women What They Want」あたりもファンク臭プンプンのアイズリーズ新章突入を感じさせる力作。スロウではサザンソウルも感じさせる「Save Me」も収録でこれまた秀逸。60年代終盤の空気感がまたたまらんトコです。一方、後のニューソウル的な「Feel Like The World」、「Love Is What You Make It」なんかはマッタリ感抜群のヌメヌメさがすでに萌芽してます。60年代のダンス・スタイルを踏襲した「Don't Give it Away」、「He's Got Your Love」あたりもゴキゲンですが、ベアフッティン的な「I Must Be Losing My Touch」がグレイト。ごった煮感も拭えん過渡期的アルバムですが、根底に存在するゴスペル魂で1本しっかり筋、通ってます。
「激動の時代を強靭な生命力で生き抜いてきたアイズリーズ。ほんま男前な人等です!」
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The Very Best Of Percy Sledge / Percy Sledge * 1998 Rhino・Atlantic
2010-01-22 Fri 00:05
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パーシー・スレッジ - Best of Percy Sledge

 またまたBBC Soul Deepネタですが、サザン・ソウルの回で印象に残ったのがPercy Sledgeの名曲「男が女を愛する時」の逸話。南部マッスル・ショールズのスタジオでパーシーが「何でもコードは任せるから弾いてくれ」とミュージシャンに頼み、それに合わせてほぼ即興で出来上がったのがこの「When A Man Loves A Woman」だったそう。これほど名曲が、こんなにイージーな流れで出来上がったとは意外でした。何はともあれ、我が日本でも完全スタンダード化していて、もはやサザン・ソウル云々の範疇ではない超メジャー曲ですが、大学くらいのときマイケル・ボルトンなるシンガーがリバイバル大ヒットさせていたので更に曲だけが独り歩きした感ありです。ところでこの渋い名バラードを最初聴いた時、大感動し「いったい、どんな人が歌ってるんやろ?」と興味深々でしたが、暫くして歌ってる姿をTVで観た時、その予想とのギャップに唖然。精悍な顔つきの男前な黒人シンガーが歌ってる勝手に想像していたのですが、その御顔はスキッ歯のコミカルなギャグ漫画系。まぁ慣れたら味のある親しみやすい顔に思えてきましたが、やはりこの男の暖かいソウルにはやはり惹かれます。歌は顔やないと、ねじ伏せてくれる名曲集です。
 プロデューサーQuinn Ivyと共に歩んだアトランティック時代の作品14曲に、なかなかオツなボートラ的な3曲が入った気のきいたベスト盤で、勿論ド頭は必殺の「When A Man Loves A Woman」、そして締めもその別テイクってな構成。聴き慣れた曲とはいえ、サザンソウル殿堂入りの激傑作であることは間違い無し。続いて出された66年の「Warm And Tender Love」、ダン・ペン作「It Tears Me Up」と染みるスロウを聴かせてくれます。最も多く選曲された68年アルバム「Take Time To Know Her」からはタイトル曲は勿論、南部の真髄みたいな“音良し、歌良し”の名録音連打。包み込むように優しく聴かす「It's All Wrong But It's Alright」に「Sudden Up」、「Cover Me」、「Between These Arms」と充実のバラードの数々です。唯一のリズム・ナンバーでボビー・ウーマック作「Baby, Help Me」もなかなかの迫力。だんだん売れなくなってきたとはいえ69年以降のシングル曲も秀逸。丁寧に歌い込む「Bless Your Little Sweet Soul」、カントリータッチの「My Special Prayer」、名曲というしかない「True Love Travels On A Gravel Road」などレベル高し。また普通のベストと違って注目なのは、アトランティック以降も2曲入ってるトコ。マラコのJoe Chapman版で初めて聴いた時、名曲ハンコを一発でついてしまった74年カプリコーンからの大傑作スロウ「I'll Be Your Everything」、94年“Blue Night”から奇跡の復活バラード「You Got Away With Love」が嬉しい収録。時が経てども最初からなんも変わらん暖かさでハートぽっかぽかです。あ、ぽっかぽかと♪(←桂三枝調で頼んます)
「ジャケのアートワークも含めまさにベスト・オブ・ベスト。安もんのコタツより温もりまっせ。」
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E.Y 70’S / 矢沢永吉 * 1997 Sony
2010-01-19 Tue 00:36
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 実はこの1カ月で一番、ぶるっと震えさせてもらったのは永ちゃんの年末のサプライズ紅白。“罪な奴さ、Ah〜パシフィック♪”と大晦日に歌われた日には、もう大感動でした。ウチはHDD内蔵TVなので、見たらドンドン消していくのですが、この紅白だけは脳が指令を出し消去ボタンを押させません。ココだけを残すために、外付けHDDまで購入です。さすがYAZAWA。金、使わせます。しかし何といっても、70年代の大名曲「時間よ止まれ」を演ってくれたってのがポイント大です。リアル・タイムでの初永ちゃんだったコノ曲は、当時TV出演完全拒否だったので聴いたのはラジオ。渋い曲でしたが、子供ながらシビれたもんです。それから“Kiss Me Please”、“KAVACHI”と聴きすすみ完全虜に。後の大傑作「Yes My Love」なんかにも通じる、キャロル解散後、初の大ヒットはまさに永ちゃんの代名詞的名曲。派手なR&Rだけやったら絶対ココまで惚れこみません。メロウな永ちゃんもあってこそ、カリスマに成り得たと改めて感じたのがこの紅白登場でした。ココは70年代ソニー時代の永ちゃんをまとめたベストを紹介。「安物の時計」とか「チャイナタウン」とか超のつく名曲は未収録ですが、そもそも1枚や2枚でソニー時代を振り返るのは所詮無理な話。でも最もお手軽に70's永ちゃんが聴けるのがコレです。
 音的にはUSA録音傑作「P.M.9」の頃と比べると垢抜けない古さを感じるアレンジですが、矢沢節はすでに全開。冷静にソロ初期から素晴らしきメロディメイカーであったことがよくわかります。へヴィなリフもカッコいい定番「黒く塗りつぶせ」からキャロル時代彷彿の「サブウェイ特急」、「恋の列車はリバプール発」とロックンロールはお手のもの。一方、クールすぎて鳥肌が立った「I SAY GOOD-BYE, SO GOOD-BYE」は激名作“Kiss me Please”からの1stカットでしたが、ココではMay,may may〜♪のVoから入るシングルテイクが。昔、シングルで聴いたのと同じで、むせび泣く感が強調された歌い方のホント長年聴きたかったテイクです。ゆったりロールする「写真の二人」、「せめて今夜も」もオリジナル・アルバム未収録のシングルB面曲、「引き潮」もひそかにシングル別テイクだったりします。もちろん、ライヴのタオル投げ必須曲「トラべリン・バス」、必殺の哀愁ミディアム「雨のハイウェイ」、感動の名スロウ「天使たちの場所」に「A DAY」、ソロの原点と言える「アイ・ラヴ・ユー, OK」と要所は押さえてあります。そしてやっぱり「時間よ止まれ」。この劇的にファン層を激増させたと思われるメロウ炸裂曲は永遠に不滅です。
「久々のシングルライフはバスローブ&ワイングラスにこの曲で決まりです!」
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Wake Up Everybody / Harold Melvin & The Blue Notes * 1976 Philadelphia International
2010-01-16 Sat 22:47
wake up

 豪快なヴォーカルで鳴らしたテディ・ぺンダーグラスがお亡くなりに。数多くの名唱を残した人だけに残念ですが、さんざん聴かせてもらった人。載せんわけにはいきません。82年の交通事故以来、車椅子生活となったものの90年代までコンスタントにアルバムを出してたのに、もうあの男臭いバリトンは聴けません。ゴスペル系の力強い70年代全盛期の曲はクラシックとなるマスト曲がほんまに沢山あり、ファンをいっぱい楽しませてくれました。勿論、私は後聴きですがグループに属していたブルーノーツ時代のアルバムはどれをとってもハズレなしの凄い状況。ソロでもメロウな傑作連発ですが、素晴らしきメッセージを持ったタイトル曲を含んだグループ時代最後となる本作も避けて通れない名アルバムです。
 中身は何といっても冒頭マクファーデン&ホワイトヘッドのペンによる「Wake Up Everybody」。ゴスペルに直結する劇的なキラー・チューンで、私の中でテディズ・ワークスの中でもベスト5にいれたい名曲。ミステリアスなMSFBによるイントロからテディの歌力で後半にかけグイグイ盛り上がっていく様はほんとシビれます。“後ろ向きにならずポジティヴにいけ”と説くメッセージ性の強い歌詞も秀逸で、我が勤務先の社歌にでもして欲しいくらいです。個人的にも東京生活が始まる自分にとって、テディが鼓舞してくれてるようで勇気づけられます。近年Hip-HopやR&Bのオールスターズがカヴァーしたのも記憶に新しいところ。そして軽快ミディアム「Keep On Lovin' You」がまた最高です。サビコーラス=ブルーノーツにテディが荒っぽく男気満載で絡むというお得意のスタイルは何度聴いてもたまりません。メロウ系では途中加入したシャロン・ペイジ嬢とエロく絡む「You Know How To Make Me Feel So Good」もフィリーソウルの美味しいトコがしっかり味わえる逸品。続くギャンブル&ハフとテディの相性の良さを誇示する「Don't Leave Me This Way」、あの名曲“The Love I Lost”を彷彿させる「Don't Leave Me This Way」、「Tell The World How I Feel About 'Cha Baby」と力強いねじ伏せ系フィリー・ダンサーの連続技には惚れぼれします。サルソウル移行前のMFSBの華麗なる名演も併せもって聴かせてくれます。最後がシャロン・ペイジ嬢のリードVo曲の結構エエ曲「I'm Serching For Love」でしっとり締めですが、テディで締めて欲しかったってのだけが苦言。
「カッコええ歌声をいっぱいおおきに。これからも間違いなく聴き続けまっせ!」
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The Voice Of Michael McDonald * 2000 Warner Bros・Rhino
2010-01-14 Thu 01:17
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Michael McDonald - The New York Rock and Soul Revue: Live at the Beacon - Minute by Minute

 雪もあちこちで降ってなんとなく嬉しい今日この頃。張り切ってスノボに行ったものの、仕事は筋肉痛で身が入らずトホホな状態。でも水着、浴衣と一緒で、どんなヘボい雪山でも白銀の中でウェアを着たオンナは何故かべっぴんに見えるぜ!これは収穫。ほんでもって滑ってるときの脳内音楽は何年もDef JamかTommy Boy系のHip Hop。これ、いつまで経っても進化せず。ただリフト乗ったり、へばって座ってる時は何故か髭オヤジ、マイケル氏が歌うドゥービーBrosのナイスAOR系ソウル「What A Fool Believe」が必ず頭の中で流れます。けっしてユーミンは流れません。そんな事で勝手に雪山が似合うと決めつけてる男、マイケル・マクドナルドの歌声を集めた絶品歌声集です。
 まず序盤はドゥービーズでの4曲ですがオープニングは何といってもコレ、「Takin' It To The Streets」。トム・ジョンストンの後釜となり名門バンドの行方が不安視される声を一掃した劇的な名曲で、何回聴いてもテンション上がるシティ・ソウルです。勿論、天下無敵の大傑作「What A Fool Believe」も。ソロでもドナルド・フェイゲン等とのNYライヴからドゥービーズ時代の「Minute By Minute」再演収録と憎い構成。ウォーレンG“Regulate”でのサンプリングも超クールだった金字塔的名曲「I Keep Forgettin'」に、James IngramとのデュエットでPVもしょっちゅう流れてたクールな「Yah Mo B There」、Patti LaBelleと歌った大ヒット「On My Own」、御大Aretha Franklinとのバカラック曲「Ever Changing Times」と流石ブルー・アイド・ソウルのキングといった名曲がジャンジャン収録。他にも、再びケニー・ロギンスと共作した「I Gotta Try」、David Packのアルバムで歌った名スロウ「I Just Can't Let Go」、ダイアン・ウォーレンとの共作「Take It To Heart」、タイトなリズムナンバー「Blink Of An Eye」と良曲多数。未発表曲もアーロン・ネヴィルの「Tell It Like It Is」、スティーヴィーの「Higher Ground」と興味深いソウル系カヴァーが入ってて、かなり満足度の高い18曲です。
「地声もファルセットも地続きの強力スモーキーヴォイス。男前な声に惚れぼれしますわ」
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Call Me / Al Green * 1973 Hi
2010-01-08 Fri 22:04
call me

Al Green - Call Me

 スタックスと共にメンフィスの最重要レーベル“Hi Records”。数多くのスターを輩出した名門中の名門ですが、その黄金期を築いたプロデューサーでアレンジャー、エンジニアのウィリー・ミッチェル氏が永眠。ウィリーが全盛期70年頃から送り出した、あの独特のハイ・サウンドは聴けば聴くほど虜になる素晴らしき音です。そのクールなサウンドはHip Hopにまで受け継がれ、RZAはじめ信者も大勢存在。またキース・リチャーズの1stでも傑作「Make No Mistake」を手掛けアルバムの格を一気に上げたのもウィリーでした。重厚かつ甘美でタイトなビートに乗るディープ・ヴォイスって構図には、いまだにシビれまくりです。ハワード・クライムスやホッジズ兄弟を擁したシャープなハイ・リズムに、メンフィス・ホーンズ、そしてハイの音を象徴的なものとしたザ・メンフィス・ストリングス!これらを総指揮しドン・ブライアントにアン・ピーブルズ、オーティス・クレイなどと共に数多い名録音を残してくれたウィリーにはホント感謝です。特にアル・グリーンにウィスパー唱法を叩き込み大スターに仕立て上げた功績は国民栄誉賞もの。もうアホほど名盤がありますが、ここはやはり、その功績を讃え代表選手アル・グリーンです。
 本作は冒頭タイトル・トラック「Call Me」からHiの象徴的サウンドが炸裂する名盤。スタックスから流れてきた名ドラマー、アル・ジャクソンとウィリー、アルが共作したヒット作品で快調にスタートです。そしてコレがあるからたまらん甘美な世界「Have You Been Making Out O.K.」が登場。多くの女性がメロメロになったのも激しく理解する、絶妙ファルセットもピシャリはまります。同じくHiのクワイエット・エレガンスもカヴァー。全編、ウィリーとアルの素晴らしき協業が続きますが、特に後半戦は凄まじき展開。ヒット曲でもある「Here I Am」はどっしりしたハイ・リズムに力強いアルの歌ががっぷり四つで突き進む激傑作。またアル自身もよっぽどお気に入りと思われ90年代に再録音もしたウィリー・ネルソンのカヴァー「Funny How Time Slips Away」も、ストリングス&オルガンとアルの押し引き唱法が冴えわたる逸品。こういった曲を聴くとカントリーもソウルも兄弟関係やなぁ如実に感じます。そして本作で個人的に最も好きなキラー・ミディアム「You Ought To Be With Me」が登場。もう、完璧といっていい曲で高揚するアルの歌といい、センス抜群のティーニー・ホッジズのバッキング・ギターといい惚れぼれします。最後はクールなゴスペル、「Jesus Is Wating」で締め。
「こんなセンスのええアレンジャーはそういません。数々の名作をホンマおおきに!」
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Best Soul Masters Vol.1 / Sam Cooke with The Soul Stirrers * 1996 Specialty・P-Vine Non Stop
2010-01-07 Thu 02:15
sam cooke gospel

Sam Cooke & The Soul Stirrers

 田中角栄並みに聴衆を盛り上げたというサム・クック。NHKのSoul Deepシリーズでも50年代のサム・クックを軸にしたゴスペルからソウルへの発展は、我々日本人に理解し難いその“違い”を分かりやすく捉えてました。本とかでは読んでたけれど、映像付きで見て俄然説得力が増した黒人霊歌ゴスペルの実体。正直、バリバリの日本人である私などゴスペルでもR&Bでも同次元で聴いてたりしますが、実際本場アメリカでは両者に決定的な違いがあることを改めて痛感。音楽的形態だけで判断できないのがホンマです。奴隷制度から人種差別などの苦悩からアフロ・アメリカンの独特のコミュニティが生まれ、ゴスペルが誕生しそれを全人種向けに派生させたポップ・ミュージック=ソウルとなったことで我々も楽しめるようになったと思うとなかなか複雑な心境です。そう考えるとブラマヨ・ノイローゼ漫才みたいになってくるので、もう止めます。そんな事で大スターを目指し、支持の厚い黒人聴衆向けのゴスペル界から大ブーイング覚悟で脱出し、人種の垣根を越えたポップヒット“You Send Me”に至る直前までを綴った編集盤です。すでに変幻自在で独特の人を魅了してやまないアノ声が堪能でき、サムが特別な存在であったことがコノ時代でもよく分かります。この決断が絶大なる影響力を発揮し、後のポップ・ミュージックとしての黒人音楽の隆盛を招いたと思うと感慨深いです。
 さて本盤の中身はゴスペル時代の大傑作「Touch The Hem Of His Garment」で最高の幕開け。この曲はじめ大半が名門ソウル・スターラーズとしての録音ですが、カルテットで盛り上げていくスタイルは実に熱く、聴衆が興奮しまくったというのも納得です。51年の初録音「Peace In The Valley」から「Must Jesus Bear This Cross Alone?」、「Come And Go To That Land」、「I'm So Glad」などゴスペルの醍醐味がしっかり味わえる素晴らしき録音。サムと共にリードをとるバリトンのポール・フォスターとの対比も絶妙で必要最小限のバッキングでの声力に平伏すこと必至です。また興味深いのが収録の56年のメロディが全く同じ「Wonderful」と「Lovable」。前者はザ・ソウル・スターラーズとしてのゴスペルですが、後者はサムがポップスとして初めて吹きこんだソロ曲。教会の反発を恐れてデイル・クックという名前で発売された曰くつきの曲です。後のKeen時代の雰囲気も感じる「Forever」や「I'll Come Running Back To You」なんかも歌う内容こそ世俗的な内容になりソフトで都会的な印象とはいえ、サムの魅力は変わりません。ポップ・ソウル・シンガーとしての風格さえ感じます。でもゴスペルとポップスの間で葛藤してたソウル・スターラーズとのゴスペル時代最後期の57年「Were You There?」、「Lord Remember Me」なんかの教会を意識したような荒っぽいシャウティングスタイルも飛び出す黒人向け録音には、やはりグッときます。エゲツないほどの説得力ある歌声はほんま唯一無二。真のパイオニアであったことが体感できます。
「 当時のリスナーを鷲掴みにしたサム・クック。これくらいの説得力で今の政治家にも頑張っていただきたいっ!」
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