Let The Truth Be Told / Laura Izibor * 2009 Atlantic
2009-07-04 Sat 00:19
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Laura Izibor - Let the Truth Be Told (Bonus Track Version)

 思わず「ロ〜ラ〜ッ!」と西城秀樹ばり(←古い)に大絶叫してしまった、グレイト極まりない逸材がまたもや登場。既にいろんなトコで話題沸騰ですがマジで悶えること必至です。まだ21才だというのに、アルバム10枚目みたいなこの堂々たる歌いっぷりはどうしたことでしょう。近年ではエステルやクリセット・ミッシェルなど新感覚ながらソウルの真髄を伝える頼もしい女性陣の登場がありましたが、ここにまた大喜び万歳三唱のアーティストが出てきてくれました。U.S.アトランティックの契約ながらアイルランド・ダブリン出身という彼女ですが出身地など関係ありません。ティーンの頃からキャンディ・ステイトンやアレサ・フランクリンに傾倒していたという、「どんな中学生やねんっ」と思わずツッコミを入れたくなる渋い趣味で育ったお姐ちゃんです。しかしそれはソングライティングや歌唱にもしっかり好作用しており全編バリバリのリアル・ソウルが貫かれてます。アトランティックがアレサ・フランクリン、ロバータ・フラックに続くニュー・スターというのも納得のNewレディ・ソウルです。
 制作4年という満を持しての全曲自作のデビュー作ですが、濃厚な内容には真剣に唸らされます。冒頭に収められた1stシングル「Shine」でローリン・ヒルやアリシア・キーズに通づるブッとい歌唱がすぐに堪能できますが、次に登場の「Don't Stay」での真の大物であることを確信できます。何といっても曲が良いです。必聴。「If Tonight Is My Last」も弦を巧みに配したアレンジが、ローラ嬢の真摯な歌唱を一層引き立て鳥肌モンの仕上がり。続く説得力抜群の感動スロウ「What Would You Do」も絶品で、どう考えても非の打ちどころが無い内容に茫然としてしまいます。普通アルバム中2〜3曲、エエ曲あったら“当たり”なのに、この連続安打には全世界ソウル・ファンが舌を巻きます。後半に鎮座するサザン・ソウル丸出しの「I Don't Want You Back」も文句無しで、ラリー・ゴールドの弦アレンジからグラディス・ナイト彷彿の節廻しまで完璧状態で突き付けられます。ゴスペルチックに決めるオルガン&コーラスがたまらんラストの「Mmm...」までエゲつないクオリティで進みますが、日本盤ボートラはDJ Premier Remixの「From My Heart To Yours」が嬉しい追加。ザラつき感アップの好ミックスです。
「息づかいひとつにまで耳を凝らしてしまうソウルフルな歌いっぷりに惚れぼれ。ホンマええ女でっせ。」
 
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Off The Wall / Michael Jackson * 1979 Epic
2009-07-01 Wed 00:04
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 突然、逝ってしまった20世紀最大のスーパースター、マイケル。最近では彼の音楽よりも、一人の人間の生き様としての興味のほうが高いような感じでした。それは80年代に“スリラー”と共に、ギネス級のエンターティナーとなってしまった自分との葛藤の歴史みたいなものが、世間の目からは(私も含め)興味深々やったわけです。「あそこまで登り詰めた以上、しょーもない事はできんぞっ」っていう意識からか、プロとしての完璧主義っぽいところか分かりませんが、それらが災いして奇行と呼ばれる行動に走ったり音楽も寡作になっていったと感じます。肌の色や老いとどうやって対峙していくのか、想像しただけで痛々しい気持ちになる人でしたので、残酷な言い方をすると「これでよかった」とも感じたりします。ゴシップでも他の黒人アーティストみたいに、もっと自虐的なジョークをかましたりする器やったら、もっと生き延びられたのにと思うと残念です。でも全世界の人間が彼の音楽的な真の復活を願っていたハズです。古い話ですが小学生の頃に、日本のスクーターのCMに出て無邪気に踊ってた笑顔の“黒人アーティスト・マイケル”は素敵でした。その頃のマイケルいち押し作品がコチラです。
 一家に1枚として皆持ってた、この後のモンスターヒット「スリラー」も“ヒューマン・ネイチャー”や“スタート・サムシング”など今でもカッコええ激傑作収録ですが、音楽的にはやっぱこっちが好み。モータウン〜フィリーを経て辿り着いたのが、クインシー・ジョーンズと西海岸系の腕利きミュージシャンと組んだエピックからのソロ作。シングルになった曲なんか、どれも絶品の出来で無茶苦茶カッコええ出来です。“今夜はドント・ストップ”と題された「Don't Stop 'Til You Get Enough」や表題曲「Off The Wall」は青年マイケルの熱いソウル・ヴォイスも光るダンス系ファンク。バイクCMでもガンガン流れてました。そして何といっても素晴らしいのがRock With You。後にD-Infuluenceの秀逸カヴァーも生まれたナイス・グルーヴの傑作で、マイケルのソロ曲でも個人的に1等賞です。ルイス・ジョンソンのグレイトなチョッパーも光る「Get On The Floor」、ジャクソンズの延長線上ともいえるファンキーさで迫る「Working Day And Night」など他にもダンサブルな名曲多数。他にも、正直ウィングス版より好きなポール・マッカートニー作の癒し系ミディアム「Girlfriend」、フリーソウル的に軽快な「It's The Falling In Love」、ステージで涙して歌う姿も印象的だったスロウ「She's Out Of My Life」とエエ曲だらけの内容です。またジョージ・デュークにワー・ワー・ワトソンらの手堅い職人グルーヴも聴きもので、黒っぽい音でのマイコーはやはり魅力的です。
「コンプレックスの塊が晩年に自身を追い詰めてしまった天才。絶対無理とは分かってましたが元気で純真な頃のマイケルをもう一度見たかった!合掌。」

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Just Me / Keith Sweat * 2008 Atco
2009-06-25 Thu 00:01
keith sweat

Keith Sweat - Just Me

 「さすがでんなっ、大将!」と思わずうなってしまったスロウ・ジャム親分、キース・スウェット渾身の2008年アルバム。「そこらの若モンとは、ちょっとちゃいまっせ」ってな顔つきのジャケからして最高です。癖になる山羊直伝メェーメェー唱法で、90年代は無敵状態で猛進したキースでしたが、まだまだ現役感バリバリで正直びっくりしました。よくよく考えたら本国では2000年以降もライブ2枚にクリスマス・アルバムまで出してる支持基盤の厚い人。所属レーベルの不運もあって過去の人になっちゃうのかと思いきや、黒人以外の聴衆獲得に全く興味無しという潔さを前面に出したエロいスロウ・ジャム満載で超力作をドロップしたのが昨年の本作。何せ捨曲が見当たらない凄いことになってます。
 まず1曲目のアナログ盤に針が落とされた音から始まるブルー・マジックの“What's Come Over Me”をサンプリングした「Somebody」でおもいっきりシビれます。途中にLa La Means I Love Youのフレーズを盛り込んだり、自身の大傑作“Nobody”を盛り込んだChris "F.L.O."Connerのラップも憎いこの上ないオープニングです。次がまたエゲつない展開でNew Jack時代からの盟友テディ・ライリー大先生との再タッグ「The Floor」が登場。お得意のトークボックスも駆使した、素晴らしすぎるスロウ炸裂。T-Painでブレイクしたオートチューンもコレを前にしたら降参するしかないです。アンバサダーズとの「Girl On My Dreams」、ナンパのお手本「Sexiest Girl」とベギングの魔術師として最高峰の仕事ぶりです。交わり系も大充実で、弟子ともいえる懐かしきカット・クロースのメンバーAthna Cageの参加も嬉しい「Butterscotch」、新人Paisley Bettisとの同路線「Suga Suga Suga」、若手No.1枯れ声レディ・ソウルKeyshia Coleとの「Love You Better」と女性デュエット3曲はマジ完璧。言うことナッシング。またロイ“ロイヤルティ”ハミルトンの手堅いプロデュースも聴き逃せません。「Never Had A Lover」や「Just Wanna Sex You」などの王道スロウ・ジャムは最高で、名ジャンプ・シンガーだったお爺さんの名を決して汚しません。ボートラでは地元アトランタ勢集合の「Git At You」ではSLIM(112), Jazze Pha & R.L. Huggar、少し毛色が違う「Some More」ではAkonが参加と冒険系は本編外で収録。
「たいして新しいことしてないのに絶好調キープ。張本並みの安定感で安打を打ち続けます」
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Love In Stereo / Rahsaan Patterson * 1999 MCA
2009-06-22 Mon 19:02
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 ニュー・クラシック・ソウルとかネオ・ソウルって呼称で70年代の香りを漂わせたニュー・アーティストが続々と出てきたのが今から10数年前。常々i-podシャッフル状態で無茶苦茶な聴き方してる私が言うのもなんなのですが、商売人の端くれとして言うならば売る際の分類は極めて重要です。分類なくしてMD無しって思うくらい、商品計画や分析には大事な事なんです。トレンドに群がる模倣が、結果的にそのジャンルの商品の質や訴求力を高め、そして飽きられるってことの繰り返しが万物共通の流れ。かつて多く存在した音楽職人なんかも自分が好きな事をやってるだけなのに、急にそれがトレンドになったり、時代遅れになったりするってのがおもろいトコです。ディアンジェロやらから始まった、このネオ・ソウルなるジャンルの隆盛では、人力グルーヴ復活の中でHip-HopファンからベテランSoulファンまで支持を得たってのが痛快でした。これは商売にもしたくなります。そんな中、“本物”を正しく理解している演者はやはり強いです。流行りをなぞっただけの音は今聴くとしょーもなかったりしますが、このラサーンの音はソウルの本質をピシャリ押さえてますので、断然今も光輝いてます。
 さてこのラサーン氏。歌だけやなく、曲作り、アレンジまでやっちゃう才人。メジャーで出た2枚はどれも優秀ですが、この2ndも70's ニュー・ソウルのクールな部分をアップデイトさせた生音中心のめっちゃオシャレな音。当時聴きこんだエリック・べネイと並んで即お気に入りとなりました。前半からアーバンな香り漂う「Treat You Like A Queen」、エレピにオウン・コーラスが効いた「Sure Boy」と序盤から鼻が膨らむ展開ですが、注目は3曲目に登場する日本盤ボートラという「Digging Your Scene」。80年代軽薄の極みと思ってたブロウ・モンキーズのカヴァーですがこんなエエ曲やったけ!?と思ってしまった高品質さです。流石ラサーン。またショック&カーリンが手掛けた「Do You Feel The Way I Do」、ヴァン・ハントが絡んだブーツィをサンプリングしたクール・ミッド「The Moment」にスティーヴィー色濃い「Friend Of Mine」あたりも文句無し。ムーグベースの音がカッコええ「The Day」、生ホーンが絶妙な「Humor」などファンク魂もきっちり見せてくれてます。スロウでも表現力の豊かさに聴き惚れる「It's Alright Now」があったりで1曲1曲のクオリティが尋常じゃない高さで迫ってきます。後半戦も驚くほどのクオリティで、ライト感覚もたまらん「Any Other Love」、エレピ&ファルセットがぴしゃり決まる「Get Here」と極上グルーヴがびっしり。マジで色褪せることが無いと断言できる傑作アルバムです。
「ダニー・ハサウェイやスティーヴィーの偉大さを、再認識させてくれたラサーン。間違いなく天才です」
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Free Soul Vibes / Various Artists * 1996 EMI
2009-06-17 Wed 01:35
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 古い音源も新譜のように聴かせてくれたフリー・ソウル・シリーズ。初期に組まれたものは、そっから火が点いて再発も進んだりした優れたコンパイル傑作がうじゃうじゃです。たいがいレンタルで手軽に楽しめますので、半額フェアかなんかの時まとめてi-Tunesにほりこめば数千円で立派なFree Soul Juke Boxの完成です。(←買わんでスンバッセン!)そんな温故知新グルーヴ啓蒙運動に一役買った日本が誇るフリーソウル秀作の1枚がコレ。
 中身はいつもながらフラットな視線で選曲されたグルーヴィー・チューンが目白押し。まず本作で初めて知ったガールズ・グループThe Fuzz 「Search Your Mind」で清涼感溢れる胸キュン・ソウルが登場。続いては女性フォーク・シンガーBobbie Gentryのモータウン・スタイルの「Somebody Like Me」に、キュートな女性Voがたまらんキッド・クリオール関連のElbow Bones And The Racketeers 「A Night In New York」ですが、こんなコンピでないと完全スルーなエエ曲でした。こんなのが嬉しいところ。最初の山場はマイアミ・ソウルが心地良く挿入された前半。タイトゥン・アップを洗練させた感じのK.C. And The Sunshine Band 「Ain't Nothin' Wrong」、ビル・ウィザースを乾燥させたようなベティの実兄Milton Wrightのもはやクラシックとなる「Keep It Up」、小沢健二“ラヴリー”で紅白でもこのフレーズが鳴ったBetty Wright 「Clean Up Woman」、最高というしかないチャカポコ・メロウ・ソウル最高峰のLittle Beaver 「Party Down」など実に心地良くカラッと仕上げてます。他にもドラム&ベースのコンビネーションがやたら気持ちええスウェーデンJazzシンガーDoris 「Beatmaker」、UKロックの重鎮アレクシス・コーナーのジャクソン5カヴァーとなるCCS 「I Want You Back」などはこういった盤でないと絶対辿り着かない、目から鱗曲。後半はメロウ・ソウルの傑作Skylight 「Get It Happening」、いなたいキッズ・ソウルに胸キュンなThe Sylvers 「Cotton Candy」あたりが要注目ですが、中でも金子マリ+都はるみ並みのソウルフル・ヴォイスでグルーヴィーに迫るC.M. Lord 「Steal Your Love Away」はエクセレント!どえりゃい気持ちEです。またアル・クーパーのクラシック的傑作でアル自身も参加したLatimoreによるダンディ版「Jolie」、数多いカヴァーが存在するレオン・ウェアのNancy Wilson 「If I Ever Lose This Heaven」、オルガンがばっちり効いたRichard "Groove" Holmesのアーチー・ベル&ドレルズ「I Can't Stop Dancing」と終盤に続々登場する秀逸カヴァーも聴き逃せません。
「こういった秀作コンピ連発でしっかりブランド化したFree Soul。センスと編集力に脱帽っす。」
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Snap! / The Jam * 1983 Polydol
2009-06-14 Sun 00:08
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The Jam - Snap! (Deluxe Edition)

 スタカンのブレイク前に実に硬派なバンドとして君臨していたU.K.バンド、The Jam。自分が存在を知った時は、もう既にスタカン結成一歩手前の時期でしたので、モータウンのようなソウル系ロック・バンドってな感じでホンマの全盛期のJamではありませんでしたが、実にスタイリッシュでカッコよく映ったバンドでした。パンク系という情報しか無かったので「全然、パンクちゃうやん」と思ったりしてましたが、何でも持ってた兄の棚にあった解散時のこの集大成的シングル集。これ聴いて初めて初期ザ・フーに影響を受けたモッズなバンドっていう意味が分かりました。
 6年間の歴史をしっかり切り取った本作は、オリジナル・アルバムにも手を出したものの、のめり込めなかった“いっちょかみ”な私にはピッタリのブツでした。やっぱ今でもグッとくるのは、急に黒っぽくなったスタカン前夜の音。スタカンほど洗練されずに模索してる様が伺えますが、これがまた実にええ塩梅です。中でもフェイバリットは、ほぼスタカン形となるラスト・シングルBeat Surrender。もうムチャクチャかっこええ曲です。ホーンにピアノ、コーラスと本来の3ピースでは再現不能なサウンドですが、スタカンをせなあかんかった理由がヒシヒシ感じとれる名曲です。ニューソウル風の「The Bitterest Pill」や、デトロイト・モータウン影響下の「Town Called Malice」、ファンキーな「Start!」、「Absolute Beginners」なんかもソウルっぽさが何ともたまらん心地良さ満開曲。しかしながら、完全後聴きだった半分以上を占めるパンキーでソリッドな初期のバンド・サウンドもイカしたもんでした。デビュー時の「In The City」や「Away From The Numbers」はザ・フーの1stが好きなら絶対好きになるワイルドなスタイルが楽しめます。パンクな「Billy Hunt」や、キンクス・カヴァー「David Watts」あたりのガレージ・サウンドっぽいのが何といってもカッコええです。中でも初期サウンドの完成形とも言える「Going Underground」の曲の良さは格別。ブルース・フォクストンのベースと、ポール・ウェラーの硬派なギターも最高のアンサンブルを見せており、ひょっとしたらこの時点で「もう全部やってしもた」と思ったのかもしれません。生真面目っぽさが堅苦しく感じるのが玉に瑕ですが、ハチャメチャなポール・ウェラーではイメージがちょっと違います。このクリーンでインテリっぽいパンクこそThe Jamです。ちなみにオマケで付いてたカーティス・メイフィールドの「Move On Up」含む4曲ライブも全部i-tunesにて購入可。素晴らしい!
「ダラダラと長いこと続ける必要が無かったバンド。美しいままで終わる術を知ってたポールは偉い!」
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Yellow Blood / ARB * 1984 Victor
2009-06-12 Fri 01:58
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A.R.B. - Yellow Blood

 大阪の朝日放送でやってた「ヤングプラザ」って番組。紳助・竜介が司会で公開放送の歌あり笑いありのエエ番組でした。番組の最後にライブコーナーがあり憂歌団とかシナロケとかゲストで来たりして毎回楽しみでもありました。ある週、ライヴ前からエゲツない盛り上がりとなり司会の紳助がインタビューも途中で止め「もう、演奏始めてください」とお願いしたのが本作発表直後の全盛時ARB。丁度、このアルバムが出る前にコンポーザーとしても重要な役割を果たしていたギターの田中一郎が抜け、諸問題でベースのサンジも抜けっていう状態だったので、「あぁ、もうあかん」と思ったものでした。そして次に入るギターがへヴィメタバンド、BowWowのギタリスト斎藤光浩って知らせも入り「ARBも、へヴィメタになんのか?」と一瞬焦りましたが、そんな心配も杞憂に終わった傑作がコチラ。第2期黄金時代の到来やと感じ、全国のBoys & Girlsが一斉にガッツポーズしたアルバムです。
 中身は「TOKYO PRISON」で実にシュールな幕開け。“〜No.9”という凌の声の後、間髪入れずグレイトなR&Rカッティングから緊張感満載で始まる「Let's "REVOLUTION"」がまた最高です。しょーもないラッパーよりセンス溢れる韻を踏む凌がカッコ良すぎですが、コンポーザーとしても重要な役割を果たした斉藤光浩のギターワークも絶品。R&Rギターのカッコええ部分を凝縮したようなシャープさで、ARBファンも即認めた素晴らしきプレイを披露。そしてチンピラ・ファンクロックの最高峰「彼女はチャーミング」はヤンプラでも狂乱の盛り上がりを見せた、凌のクールな詞も光る名曲。A面最後を飾ってたバースデーソング「ダン・ダン・ダン」もイカしてます。後半も、日本人としてのアイデンティティを示したハードなタイトル・トラック「YELLOW BLOOD」から、高校時代に自分もライブで演った思い出深き名アップ「One Way Trip」、ライブでは“全ての労働者に送ります”という凌の熱き名MCからスタートするワーク・ソングの真髄「HOLIDAY」と名曲の嵐です。最後の「闘い抜くんだ!」ではなんと、ドラムスであるKeithの親友であるストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルも参加。凌&光浩のソングライティングも絶好調でこの後もずっと、この体制でやって欲しいと思わせたグレイトすぎる逸品。そして現行リマスター盤は、これまたシビれまくりの12inchシングルだった「Deep Inside」2テイクに「Fight It Out! (LIVE)」と嬉しい追加。こうなったら、このメンツでの発掘ライブアルバムでも聴きたいところです。
「僅か2枚で終焉を迎えた光浩擁する第2期ARB。初期同様、必聴のR&Rアルバムです!」
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Kowloon Junk / The Mods * 1999 Sony
2009-06-09 Tue 01:24
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 今年も精力的に、あの名作「Gang Rocker」の続編をリリースする頼もしいThe Mods。その勢い衰えぬ創作意欲には敬意を表しますが、一時ソニー系アンティノスに戻ってた時にぶっ放した世紀末の傑作がコチラ。録音からトラックダウンまで香港という猥雑さをそのままパッケージングした、森山達也の熱い音の塊りが全身で浴びれる力作です。80年代に登場したThe Modsですが他のバンドが、解散したり続けていても明らかに失速していく中、今でも新作が期待満々で迎えられる貴重なバンドです。ブレる事の無い森山達也のR&R魂はハードな路線からメロウなのまで天下一品ですが、初期衝動そのままに熱く激しいVibeで迫った本作は車でも大音量で聴きまくった大傑作です。
 冒頭「GREED & JUICE」から快調に飛ばしますが、とりわけ凄いのが2曲目から4曲目の怒涛の攻撃。狂ったような疾走感が激気持ちエエ「VIBRATION DRIVE」から、曲間無しに間髪入れず始まるギターリフ中心のCoolなビート炸裂となる「junk yard 九龍」の流れは鳥肌モンです。Epic初期の「News Beat」あたりを彷彿させてくれます。そしてジョニー・サンダースのチャイニーズ・ロックをさらに攻撃的にした「SWITCHBLADE JACK」で間違いなく昇天できます。中盤も、惜しくも脱退した梶浦のシャッフル・ビートが冴える「RUSTY GLITTER」、森ヤンの韻を踏んだ渋い歌詞も光る爆裂ビート曲「SPIN 50」、これまたルースターズ池畑潤二並みの梶浦氏のイカついドラミングにブッ飛ばされる「FLY, DRAGON FLY」と息つく暇なしの緊張感持続。そして後半戦も一切だれません。中国風のS.E.から森ヤンの「你好ニーハオ!」ってセリフがヤケに決まる「MONDO CHINA」、強烈ブギー「MUSTANG ANNIE」とスピードボールがズバズバとキャッチャーミットに収まります。最後も“時代に媚びないアイツ”って歌詞にシビれる「カミカゼCOOL BOY」でピシャリとストレートでねじ伏せます。何より本作で嬉しいのは全編、森ヤンのVo仕様ってとこ。ランディ・ジョンソンにも負けない力投で完封シャットアウトです。
「あれよあれよという間に、速攻で攻めまくる10曲34分。さっと現れ、すぐハイサイナラ。男前ですわ」
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